人を説得するということ

ジェットコースターのパラドックス

イラク民主化をなんとか進めようと、米軍が必死になるほどに、イラクのテロリストが殺されるほどに、イラク国民は「米軍出ていけ」で固まって、民主主義の多彩は遠くなる
本の学校で、先生が「静かにしろ」なんて、どれだけ声高に怒鳴っても、むしろ子供はもっと暴れて、学級崩壊はおさまらない

ここでいう「恐怖」を「外圧」とか「圧力」と読み替えると、この現象は『心理的リアクタンス』という言葉で説明することが出来る。
端的に言うと、「自由を制限されたと感じた時に、その制限に抵抗する方向で働く感情的な反応」のことで、1966年にブルームという心理学者が提唱したものだ。

自分の親から「部屋を片付けなさい」「宿題をしなさい」「○○をしなさい」と言われて、逆にやる気がなくなってしまったという経験はないだろうか。
あるいは誰かからアドバイスをされ、その通りにやることに対して抵抗を感じたことはないだろうか。テストの前日に、しなくてもいい「何か別のこと」をはじめてしまうことは?部屋の大掃除をしている時に限って、いつもは気にならない本や雑誌を読みたくなることは?

これらは全て、「自由を制限」されたことに対する無意識の反抗である。

何かの目的を達成するために、恐怖という道具を持ち出して、意図とは逆の結果がもたらされる。

誰かを説得したい時、なにかして欲しい時、行動を変えて欲しい時、受け入れてもらう側は相手に起こる『心理的リアクタンス』を意識する必要がある。